ネクストジャーニー 世界一周と自転車

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ニュージーランド自転車旅まとめ

■地図

・期間:2022/11/08~2023/02/02
・日数:87日
・距離:3614 km

■ビザ・出入国審査
 90日以内の滞在であればビザは不要。ただしNZETAという電子渡航証明を取得する必要がある。申請料金は専用アプリとWEBで変わる。今回は専用アプリで申請をした(その方が安いので)。申請料17ドルと観光税35ドル、合わせて52ドルを支払った。
 ニュージーランドは入国審査が厳しく出国チケットがないとフライト出来ないと事前情報があったので一時帰国に合わせて日本行の航空券を事前に購入。見積もりでは2ヶ月程度であれば十分だと思ったが念のため余裕をもって出国日を滞在期限ギリギリの日付にした。が、少し時間が余ったので3カ月は不要かもしれない。
・オーストラリアからの出国
 空港では特に出国チケットについては聞かれず、普通に発券して荷物を預け入れしてチェックイン。電子ゲートであっさりとオーストラリアから出国。
ニュージーランドへの入国
 ニュージーランドクライストチャーチには深夜に到着し、電子ゲートで入国。電子ゲートではモニター画面があり出国チケットがあるか等の簡単な質問が日本語で表示された。それに対してYES,NOのボタンを押して答える。てっきり審査官との質疑応答があると思っていたので少し拍子抜けした (のちに道中で日本人と話したときに片道航空券だけでも審査官に説明したら入国できた人がいたという話も聞いたが真偽は不明。まぁ出国のチケットはあった方が安心できると思う)。入国当時インドネシア口蹄疫が問題になっており、バリ島を含むインドネシアに滞在歴があるかの質問が重要視されていた。
 電子ゲート通過後、通路に立っている職員のお姉さんに税関申告書見せてと言われる(抜き打ちで質問をしているようだった)。申告書に87日の滞在予定と書いていたので、なぜそんな長期も滞在するのかと質問されたので自転車でニュージーランドを周るからだと答えたら、私も自転車で周ったことがあるわ、頑張ってねと言われた。少し身構えたが良いお姉さんだったようだ。次は税関に向かう。
 税関検疫審査
  どのレーンに進むかを指示する職員がいたので申告書類をおじさんに見せる。税関申告書は予め機内で配られており、使用済みのキャンプ道具を持っているかの質問があったのでYESと書いた。そのチェック項目がYESになっていたので要検査レーンに行くようにと指示を受ける。ほとんどの人は検査不要レーンに行くので、緊張しながら一人要検査レーンへ。荷物を広げるための大きな金属のテーブルがあるカウンターに到着。屈強なおっさんがキャンプ道具をカバンから出してテーブルの上に広げてくれと言ってきたので指示通りテントを取り出し広げてテーブルの上に置いた。ペグも調べられたが予め土は落としておいたので何も指摘されず。テントを別室に持っていかれたので最悪没収されるのではないかとひやひやしたが、無事に返してくれた。あとは自転車がMTBなのか聞かれたり、タイヤに泥がついてないかを確認されてやっと通過。
 ニュージーランド渡航する人は使用済みキャンプ道具を綺麗に掃除してから行くのが良いだろう。

■言語
 英語、マオリ
 ほぼ英語。マオリ語は挨拶程度しか使われていない印象。
 キオラーがマオリ語の挨拶。まぁ数回しか使わなかったな。普通に英語です。
 オーストラリアに3年近くいたので英語はそれなりに聞き取れると自負していたのだが、ニュージーランド訛りなのか地元の人が話す英語を理解にするのに苦労した。

■通貨
 ニュージーランドドル。当時のレートは平均すると大体1ドル85円くらいだろうか。
 キャッシュレス決済が当たり前なので現金を使うことは稀。なのでATMを使ってお金をおろすことはほとんどなかった。街中にはATMがあるのでお金をおろすのは苦労しない。コインランドリーではコインを使うことが多いので1ドルコインがあると何かと便利。

■宗教
 キリスト教
 大きな町には教会など見かけるが、中に入るとガラガラだったり、そもそも扉が閉まっているなどあり、あまり熱心な信者はいない模様。あんまり宗教を意識することは無かったな。クライストチャーチの大聖堂はいまだ修復中で中に入れず。

■単位
 SI単位系。食べ物がカロリーではなくジュール表示なので慣れるまで時間がかかる。それ以外は日本と同じなので戸惑うことはないだろう。

■時差
 日本との時差4時間(サマータイム中)。通常は3時間差。
 ニュージーランドでは9月の最終日曜日から翌年4月の第1日曜日の間サマータイムになる。夏は20時半くらいまで明るい。日照時間が長かったので寝床を選ぶときに時間の余裕があって良かった。キャンプ場の距離が100 ㎞離れていることも多いので冬の日照時間が少ないときは遅い人は難儀するかもしれない。

■気候
 今回のニュージーランドの季節は春と夏。朝晩の冷え込みが強く、日差しが強いと感じた。11月は南島ではそこまで雨が多くない月のはずだったが割と雨が多かった印象。
1月の北島でも例年よりも雨が多く天候に恵まれない日が多かった。雨は1日ずっと降り続くことは少ない。降ったりやんだりを繰り返すことが多かった。晴れている時は湿気はそこまで感じず、カラッとした印象。

■治安・人柄
 治安は良いと思う。
 都市部では盗難等の被害が多いと聞いていたので盗難保険にも加入していったが、自転車旅において特に不安に感じることは無かった。もちろん鍵をしっかりかけて、停めるときも人目につく場所に置くなどの基本的な対策はした上での話だが。
 有料キャンプ場に連泊しトレッキングにも行ったがテント内の盗難もなかったので基本的には安全だとは思う。
 オークランドみたいな都会は安宿が中心地ど真ん中に多いので、そういった場所の方が盗難には注意した方が良いなと思った。
 人柄は普通かな。そもそも自転車旅だと人に会う機会が少ないのでサンプル数が少なすぎる。悪意を感じる人はいなかった。北島で公民館みたいなところを開放して泊まれせてくれた人がいて、助かりました。

■物価・食事・水・衛生面
 1ニュージーランドドルをおそよ83円として計算していた。
 物価は高い。オーストラリアより高い。為替的にはオーストラリアドルよりも安いニュージーランドドルなのでオーストラリアより安く買えると思っていたのだが、商品の値段はそれ以上に高い。恐らく大半のものを日本と同じ様に輸入に頼っているからではないかと推測している。当然外食も高いので基本的に自炊となる。5袋入りのインスタントラーメンが安くて2.5ドル。安い1.5Lのレモネードが1.2ドル。
 水道水は飲める。街には蛇口があり水を汲める場所があるので、そこから水を手に入れれば水は買わなくても問題ない。水の場所はWikicampsで調べればある程度分かる。ニュージーランドではキャンピングカーを使った旅がポピュラーなのでWikicampsの情報が豊富で飲み水の確保は比較的しやすい。ただし国営キャンプ場では水があっても濾過されていないので煮沸して使うか浄水器を使って濾過する必要がある。よってキャンプ場に到着する前に水を確保するなどの対応がいる。ニュージーランドで長期自転車旅行をするなら浄水器を携行するのもあり。国営キャンプ場の水源はおそらく地下水に直結されているだろう蛇口か、キャンプ場傍を流れる小川だったりした。自分は浄水器を携行しなくてもなんとかなったが、水を運ぶのが嫌な人は浄水器の携行をオススメする。
・スーパー
 ニュージーランドにも様々なスーパーマーケットが存在する。オーストラリアと違いスーパーでも酒が気軽に買えるのがうれしい。日本と同じで身分証明書の提示が必要だが求められることは稀。
 スーパー一覧
  カウントダウン:オーストラリアでいうウールワース(都市限定)。商品は全く同じであるが、値段はオーストラリアよりも高い。一番利用した店。
  ニューワールド:オーストラリアでいうコールス。クラブメンバー限定割引が多いので会員登録推奨。ちとお高め。
  パックンセーブ:ALDI 的スーパー(大都市限定)。倉庫みたいな大きなスーパー。でかすぎて商品を探すのに苦労するのであり、値段は安いがあまり使わなかった。
  フォースクエア:人口が少ない町でよく見るスーパー。安さはカウントダウンやニューワールドに劣るが、中規模の町にあるので補給の際にはよく世話になった。規模が小さいわりによく商品が並べられている。プライベートブランドの品は安い。
  フレッシュチョイス:少し人口があるところにあるスーパー。フォースクエアがある町よりは人口が多い町にあったりする。店舗数が少ないのでたまにしか利用せず。フォースクエアと互換可能。
  ホットスポット:高い。村にある。軽くぼったくり価格なのでここで買い物は最小限にするのが良い。主に南島の西海岸沿いの人口過疎地にある。家族経営の田舎の商店って感じ。ミートパイとか温かいものが売っていたりするので軽食補給したい人は良いかも(高いけど)。

■トイレ事情
 町であれば公衆トイレが整備されていることが多い。もちろん無料。都会では時間制限ありの自動ドアのハイテクトイレだったりする。郊外ではそもそも人が住んでいないのでトイレはない。レストエリアに必ずトイレがあるとも限らず、そもそもレストエリアの出現が場所によってマチマチ。水洗トイレがあるのはある程度の人口がある町にしかないので基本的にはぼっとん便所である。トイレが設置されていればトイレットペーパーは備え付けられていることがほとんどであるのでトイレットペーパーの心配はいらない。基本的にはある程度の間隔でトイレはあるので、走行中に便意を催し野糞、といったことにはならないはず。

■宿泊地
 ニュージーランドでは基本的に指定された場所以外でのキャンプは禁止である。無料キャンプ場はあってもキャンピングカー限定の場合がほとんどで、自転車旅行者にとって宿泊地の確保は少し大変。南島では国営キャンプ場が多く、なんとか野宿をせずに済むことが多かった。北島では国営キャンプ場が少なく(ルート上になく)、なかなか宿泊地を確保するのが難儀した。もちろん金に糸目をつけなければ民間有料キャンプ場は多くあるので金に糸目を付けねば苦労はしない。だが安くて良いキャンプ場となると難しい。やむを得ず野宿になることもしばしばあった。
 大都市はキャンプではなくドミトリーの安宿に泊まった。しかし物価高の影響か相場が上がっているの感じた。大体最安価格帯のドミトリーが平均30ドル程度。YHA等少しグレードを上げると50ドル程度になる。YHAであればほぼ確実に駐輪場があるが高すぎて泊まれない。YHAの自転車旅行者割引は無くなっており使えないようだ。そもそもニュージーランドYHAの一番大きな運営体がコロナで破綻したので主要都市のYHA自体が無くなっていた訳だが。。。
 民間キャンプ場は平均20ドル程度。大手だと25ドル程度が現在の相場だろうか。電源有りだと更に高くなる。基本的に温水シャワーや共用キッチンがあるので快適さは民間に軍配が上がる。WIFIはないか、有料が多い。
 国営キャンプ場では大体15ドル程度だろうか。たまに無料キャンプ場がある。国営ではまず電源はない。冷水シャワーがごくまれにあるが基本はぼっとんトイレのみ。ゴミ箱もない。これで金とるの?と言いたくなる場所が多々あった。年パスユーザーだったのでせっせと泊まりましたが。国営キャンプ場で唯一まともなのは北島のUretiti Beach Campsiteくらいである。

・探し方
 ドミトリー:Booking.comでもAgodaでも好きなのを
 キャンプ場:Wikicampsにキャンプ場の情報が載っているので基本的にはWikicamps経由でキャンプ場を見つける。国営キャンプ場(DOCキャンプ場)は公式WEBサイトでもリストが上がっているので、そこから調べることも出来る。
 国営キャンプ場について(DOC Campsite)
  国営キャンプ場は大体15ドルで泊まれるが年間パス(200ドル)が存在するので14泊以上すれば元が取れる。自分は年間パスを購入し積極的に国営キャンプ場を使用した。なお3カ月パスは存在しない。北島はあまり良い位置にキャンプ場がないので北島だけ旅をする人にはオススメしない。基本的にはネットで事前予約が必要。年末年始は人気キャンプ場は予約で一杯になってしまうので注意。

WIFI・電源
 今回はSIMを購入していたのでWiFiはあまり利用せず。ビジターセンターではフリーWiFiがあることが多い。図書館ではほぼフリーWiFiが使える。ただし、時間制限やGB制限がある場合が多い。
 VodafoneとSparkが大手。GBあたりの単価が高かったので旅行者プランがあるVodafoneのSIMを買って使っていた。2カ月40GBで69ドルだったかな。ただ、へき地ではSparkの方が電波が入るのでつながりやすさはSparkに軍配が上がるだろう。
 圏外になることはたまにあったが1日のうちに全く電波が入らないということはなく通信ではそこまで困らなかった。
 20000mAhのモバイルバッテリーを2つ持っていったので1週間程度はバッテリーのみでスマホを充電することができた。ソラーパネルでも意外と充電ができたのでソラーパネルを持っていくのをオススメする。基本的に物価が高いニュージーランドでは予算を抑えるためにキャンプすることが多いと思うが、電気も自給できると便利である。

■道路・交通マナー 舗装が汚く穴ぼこが多い。クオリティーは先進国にしてはお粗末だなーと思ったことが多かった。期待値が大きすぎただけともいう。交通マナーは普通。北島は細かいアップダウン多い。位置エネルギーの無駄遣いだと何度も思ったよ。南島はぐっと登ってぐっと下がるのが多いが、西海岸は細かいアップダウン多い。
 ミルフォードサウンドに向かう途中に長いトンネルがある。海側に下に傾斜があるので行きは下りになり自走は可能だが、帰りは上りになるのでオススメしない。2022年ではミルフォードサウンドの安宿はコロナの影響で無くなっており泊まるのは厳しい状況だった。なのでミルフォードサウンドからの帰りは予め予約した観光バスで脱出をした。道中であったスイス人サイクリストカップルはTe Anauの町で個人手配したツアーで自転車を運んでもらいトンネルをスキップしてきたと言っていたのでそういった方法も一つの手段だろう。
 南島では7割程度がキャンピングカーであり、おそらく海外からの観光客だと思われる。北島ではローカルの車が増えたが、それでも3割程度はキャンピングカーだったように記憶している。割とキャンピングカーの人の方が自転車との幅を作ってくれることが多かったような。ごくまれに幅寄せしてくる車や猛スピードで追い抜いてくる車がいるが、これはどこの国でも一定数いるので特筆することではない。
 なおオーストラリア同様自転車はヘルメットの着用義務があるので、自転車走行中は常にヘルメットを着用していた。路肩が狭い道路が多いので蛍光ベストの着用をオススメする。

自転車店
 人口過疎地域ではない。サイクルトレイルの整備されている町では自転車がある。主にMTBが多いのでラインナップはMTB寄りになりがち。なのでメンテナスするなら事前にどこに自転車屋があるのかは確認しておくべきだろう。

■その他
 アプリ:Wikicamps NZが有料アプリだが口コミが多く、オススメ。
 吸血虫:南島はサンドフライが多い。本当に多い。血を吸われるのでテントに侵入を許すと地獄である。ガソリンストーブで調理する際はテント外でやる必要があるので、途中からガス式に切り替えた。長袖長ズボンが基本です。北島ではサンドフライは減り蚊が出てくる。でも血を吸われることは少なったな。
 天気:天気が変わるのが早いのでNIWAとMetservsというサイトを確認して天気の予測をしていた。予測精度は割と高い。
 道路:Nztaという道路情報サイトは通行止めの情報やライブカメラが見れるので定期的に確認していた。そういえばフォックスグレイシャーの展望台へ続く道は2019年の土砂崩れで永久閉鎖されていた。土砂崩れがわりと起きやすい国なので、その点は気を引き締める必要がある。
 フェリー:南島と北島を結ぶフェリーは2社が運航している。一社はInterislander。もう一社はBluebridge。どちらも値段ほとんど違いはないがBluebridgeは自転車料金が無料なのでトータルではBluebridge社の方が安くなる場合が多い。なお南島PictonのBluebridge社のターミナルはやや内陸にあり、分かりにくいので注意。

■トラブル
 リアホイールのハブが摩耗しガタガタに、自転車屋にてハブを交換。
 連日の雨の中、走行中にフロントのリムが割れる事態が発生。近くに自転車屋があったのでフロントホイールを交換。ブレーキシューの摩耗していたため、リムへのダメージが大きかったようだ。
■感想
 コロナ後の長期自転車旅としては安心して旅ができたニュージーランド。比較的初心者でも楽しめる国としてよいと思う。とはいっても山岳地帯は少し補給に苦労するので初心者は海岸沿いで何日か慣らすとよいかと。